東京銀座クリニック
 
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メラトニンの抗がん作用

臨床試験の結果から、がんの抗がん剤治療、放射線治療、免疫療法の際にメラトニンを1日20から40mgを服用するのは有効と言えます。これら攻撃的がん治療の副作用を軽減し、抗腫瘍効果を高め、しかも費用がかからないというメリットがあります。

【概略】

メラトニン(Melatonin)は昼と夜の周期に反応して脳の松果体から分泌され、体の日内リズムを調整しているホルモンであり、不眠や時差ぼけの改善に欧米で使用されているサプリメントです。抗老化作用でも人気があります。
免疫力や抗酸化力を高めると同時に、様々な機序での抗がん活性が報告されており、進行がんにおいて延命効果を示す臨床試験の結果も多く発表されています。1日10〜20mg程度の摂取(就寝時)は、抗老化作用やがん予防効果が期待できます。がん治療には1日10mgから40mgが使用され、多くのがんで有効性が報告されています

メラトニンは日本ではサプリメントとして許可されていませんが、インターネットで米国から個人輸入で入手できます。銀座東京クリニックでは医師の個人輸入したものを医薬品として処方することで、がんの代替医療に使用しています。1ヶ月分は5000円(1日20mgの場合)から10000円(1日40mgの場合)と安価であるのもメリットです。費用対効果から評価して、もっとも有用な抗がんサプリメントと言えます。ただし、免疫細胞の腫瘍(悪性リンパ腫やリンパ性白血病)には使用しない方が良いと言われています。

(日本で認可されていない医薬品でも、医師であれば、厚生労働省から薬監証明を取得することによって合法的に輸入し、日本国内で処方薬として治療に使えます。メラトニンは欧米ではサプリメントの扱いですが、日本では食品とは認めていませんので、医薬品と同じ扱いになります)

● メラトニンとは

メラトニン メラトニンは脳のほぼ真ん中にある『松果体』と呼ばれる、松かさに似たトウモロコシ1粒くらいの大きさの器官から放出されるホルモンです(図)。メラトニンの原料は、アミノ酸の一種のトリプトファンで、トリプトファンにいくつかの酵素が働いてセロトニンが作られ、さらに別の酵素が働いてメラトニンが出来ます。つまり、メラトニンは体で作られている天然の成分なのです。
 
メラトニンは松果体から分泌された後、血液に乗って全身に運ばれ、最終的には肝臓で代謝されます。唾液や脳脊髄液、卵巣の卵胞液、胆汁中にも移行します。血液脳関門や胎盤も通過します。
メラトニンはヒトの体内時計を調節するホルモンとして知られています。暗くなると体内のメラトニンの量が増えて眠りを誘います。快適な睡眠をもたらし、時差ぼけを解消するサプリメントとして評判になりましたが、最近の研究で若返り作用抗がん作用なども報告されて話題になっています。
 
メラトニンの分泌異常が不眠や時差ぼけや抑うつ、ストレス、生殖能力、免疫異常やある種のがんの発生と関連している可能性が報告されています。がんとの関連においては、特に、
乳がんとの関連が注目されています。例えば、夜間の光りが、メラトニンの分泌の低下を引き起こし、乳がんの発症に関与している可能性を指摘する「乳がん発生のメラトニン仮説」も提唱されています。盲目の人には乳がんが少ないという報告や、夜間勤務の人には乳がんが多いという報告があり、これらはメラトニンが多く分泌される状況にあると乳がんの発生が抑えられ、夜間勤務のようにメラトニンの分泌が抑えられると乳がんが発生しやすい可能性を示唆しています。
メラトニンには抗酸化作用や免疫増強作用やその他多くの抗腫瘍効果があるというのが、がんのメラトニン仮説の根拠になっています。メラトニンの抗腫瘍効果は、実際に多くの臨床試験で確かめられています。

図:メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計の調節、免疫力や抗酸化力の増強、若返り効果、抗癌作用などがある。

● メラトニンは抗老化ホルモン?!

メラトニンは子供の頃は多量に分泌されますが、思春期をすぎると急激に分泌量が減り、年齢とともにさらに減っていきます。子供は夜になると自然に眠り、年寄りは睡眠時間が短くなって不眠症や時差ボケになりやすいのは、メラトニンの量が少ないからだという考えもあります。
メラトニンの体内量が増えれば若返られるのではという議論が起き、マウスで実験したところ、30%くらいの寿命が伸びるというデータが出ました。他にもぼけ防止やがん予防効果などの作用が認められ、アメリカでは
抗老化ホルモンとして一気にブームになってしまいました。
 
メラトニンには
抗酸化作用があり、活性酸素によるダメージから細胞を護ります。脳細胞の酸化を防ぐことにより、痴呆やアルツハイマー病を予防できるのではないかと期待されています。さらに、免疫力を増強し、病気に対する抵抗力を高める作用も認められています。
メラトニンの抗酸化作用は、活性酸素だけでなく、一酸化窒素や過酸化脂質など様々なフリーラジカルを消去できることが特徴です。毒性の強いヒドロキシラジカルはメラトニンによって効率的消去されin N -Acetyl- N -formyl-5-metoxy kynuramineとなります。
不飽和脂肪酸の酸化によって生じるペルオキシラジカルを消去する活性はビタミンEよりも高いことが知られています。メラトニン1分子は4つ以上のフリーラジカルを消去できます。
さらに、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドデュスムターゼ、カタラーゼなどの細胞内の
抗酸化酵素の活性を高める効果も報告されています。

このような多方面の抗酸化作用によって、メラトニンは細胞膜の脂質や細胞内の蛋白、核内のDNA、ミトコンドリアにおいて、フリーラジカルによるダメージを防ぎ、その結果、これらの細胞成分の酸化によって生じる病気を防ぐ効果を発揮します

メラトニンの抗老化作用が人間でどの程度期待できるか議論も多くあります。ネズミで効果があっても人間に効くとは限らないからです。マスコミによる誇大広告で過大評価されている傾向はありますが、抗酸化や免疫増強の観点から健康増進のためのサプリメントとして試してみる価値はあるかもしれません。

●メラトニンの抗がん作用は多くの臨床試験で証明されている

睡眠障害や時差ぼけには1mg程度のメラトニンがサプリメントとして使用されますが、一日に20mgくらいのやや多い量を使用すると癌にも効果があることが数多く報告されていますメラトニンは免疫力や抗酸化力を高めて癌に対する抵抗力を増強するだけでなく、がん細胞自体に働きかけて増殖を抑える効果も報告されています
 
Tリンパ球や単球の表面にメラトニン受容体があり、メラトニンはこの受容体を介してリンパ球や単球を刺激して、インターフェロンγやインターロイキン1,2,6,12などの免疫反応を増強するサイトカイの分泌を促進する作用があります。臨床試験では、
肺がんや大腸がんなどで、インターロイキン-2による免疫療法と併用して、抗腫瘍効果の増強が確認されています
 
メラトニンには、
腫瘍血管の新生やがん細胞の増殖・転移を阻害し、がんに伴う症状を緩和する作用が報告されています。例えば、がん細胞による成長因子の取り込みを阻害する作用、テロメラーゼ活性を阻害してがん細胞のアポトーシスを誘導する作用、血管新生作用をもつエンドセリンの合成を阻害する作用、がん抑制因子のP53の発現を制御する効果などが、メラトニンには報告されています。つまり、直接的にがん細胞の増殖を抑える作用がメラトニンにはあるのです。

メラトニンは、乳がんや肺がん、前立腺がん、大腸がんなど多くのがんに有効という臨床試験の結果も報告されています。
手術後の傷の治りを促進し、抗癌剤や放射線治療の効果を高め副作用を軽減する効果も報告されています。ただし、免疫系統の悪性腫瘍(白血病やリンパ腫)では服用しない方が良いと言われています
 
メラトニンは培養細胞を使った研究で、
乳がん細胞のp53蛋白(がん抑制遺伝子の一種)の発現量を増やし、がん細胞の増殖を抑制することが報告されています。また、エストロゲン依存性のMCF-7乳がん細胞を使った実験で、エストロゲンとエストロゲン受容体の複合物が核内のDNAのエストロゲン応答部位に結合するところをメラトニンが阻害することによって、エストロゲン依存性の乳がん細胞の増殖を抑えることが報告されています。

インターフェロン-γなどの多くのサイトカインの産生を調節することによって免疫細胞を活性化する効果が報告されています。
シスプラチン治療を受けている非小細胞肺癌の63例が、1日10mgのメラトニンを摂取するか、保存的治療のみかの群にランダムに分けられて効果の検討が行われています。 保存的治療のみの患者の平均生存期間が3ヶ月であったのに対して、メラトニンを服用した患者の平均生存期間は6ヶ月であり、1年以上生存した患者は、保存的治療のみが32例中2例であったのに対して、メラトニン服用者では32例中8例でした。
ホルモン療法(タモキシフェン)を受けている進行した乳がん患者において、1日20mgのメラトニンの服用に延命効果があることが報告されています。ホルモン依存性の乳がんの治療のあと、再発予防の目的で抗エストロゲン剤のタモキシフェンなどが投与されますが、1日20mgのメラトニンはその再発予防効果を高める効果が期待できます。その他、メラトニンの抗がん作用は脳腫瘍における放射線治療や、肺がんや大腸がんなど、数多くの臨床試験で報告されています

以上のような臨床試験の結果から、
がんの抗がん剤治療、放射線治療、免疫療法の際にメラトニンを1日20から40mgを服用するのは有効と言えます。

メラトニンの抗がん作用の詳細については、こちらへ

●メラトニンの服用法

睡眠障害や時差ぼけには1mg程度で十分です。抗老化作用やがんに対する効果を期待するのであれば、多め(1日5〜20mg程度)に服用します。進行がんの治療では1日40mg程度の使用も報告されています。
メラトニンを服用すると眠くなるため、日中の服用は避けるのが賢明です。精神安定剤や通常の睡眠薬を飲んでいる場合には医師に相談することが必要で、妊婦、授乳中の女性、自己免疫疾患の人はメラトニンの摂取を控えるのが賢明です。メラトニンを多量に取ると、避妊効果があると言われていますので、妊娠を望んでいる女性は、メラトニンの使用は控えた方が良いでしょう。また、子供は充分な量が分泌されているので、サプリメントは接取させないようにしてください。 

参考文献:

Melatonin in pathogenesis and therapy of cancer_(がんの発生原因と治療におけるメラトニン)Indian J Med Sci 60(12): 523-535, 2006 Available from: http://www.indianjmedsci.org/text.asp?2006/60/12/523/28983
A radiobiological review on melatonin: a novel radioprotector (メラトニンに関する放射線生物学的考察:新しい放射線保護剤)J Radiat Res. 48: 263-272, 2007

メラトニンは日本ではサプリメントとして許可されていません。銀座東京クリニックでは処方薬として10 mg 60カプセル入りを5000円(税込)、あるいは20mg 60カプセル入りを10000円で処方しています。処方希望の方は、info@1ginzaclinic.com へご連絡下さい。

 
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