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ゼニカルは食事中の脂肪の吸収を抑える薬
食事中の脂肪は トリグリセリド という形で存在します。このトリグリセリドはそのままでは腸から吸収されません。膵臓から分泌された リパーゼ という脂肪分解酵素によって、腸内で脂肪酸やモノグリセリドという小さな物質に変換(消化)されて始めて腸から吸収されるのです。
したがって、このリパーゼという脂肪分解酵素を阻害すれば、食事中の脂肪は吸収されずに便と一緒に排泄されるので、余分な脂肪やカロリーを簡単に減らすことができます。リパーゼを特異的かつ強力に阻害する薬(Xenical)は、肥満の治療薬として欧米では認可されており、その安全性も確かめられています。

脂肪の吸収を抑えるダイエット法は健康的
肥満は万病のもと 」です。脂肪の取り過ぎや、カロリーオーバーで体重が増えると、動脈硬化や高血圧や糖尿病のリスクが高まります。体重を標準体重に維持し、体に脂肪が付き過ぎないようにすることは、病気にならない健康管理の基本です。
しかし、いくら食事に気をつけても脂肪の取り過ぎない食生活を守ることは大変です。脂肪の多い食事は安くて美味しく満腹感が得られる事から、レストランやファーストフード店での調理は脂肪を多く使いがちです。外食すれば脂肪の取り過ぎになるのは確実です。
このような脂肪の多い食事の時に、脂肪の吸収を抑えるような薬を一緒に服用しておけば、余分な脂肪やカロリーの取り過ぎを簡単に防ぐことができます。
私は、以前国立がんセンター研究所のがん予防研究部の室長をしていました。脂肪の取り過ぎは乳がんや大腸がんの発生を増やすことが知られていて、がん予防の食生活で脂肪の取りすぎに注意することが強調されています。がん予防や健康のために、脂肪の摂取を総エネルギーの15〜30%の範囲に抑えることが推奨されているのですが、日本の現代生活ではこれを守ることさえ非常に難しい状況になっています。したがって、脂肪の吸収を抑える薬はダイエットだけでなく、健康を増進して癌や生活習慣病の予防にもなると考えていますので、この治療を勧めています。


Xenicalは極めて安全
体の代謝を刺激したり、脳に働いて食欲を低下させるような作用に基づいたダイエット用医薬品は、体の中に吸収されて全身に運ばれなければ効果がでません。そのために、いろんな副作用が出る危険があります。
一方、腸の中で脂肪分解酵素の働きを阻害するだけの薬は、血液の中には極めて微量しか吸収されません。他の臓器への副作用が極めて少なく、脳に作用するものでないため極めて安全です。

Xenical の副作用は?
Xenicalはほとんど血中に吸収されませんので、肝臓障害を起こしたり、中枢神経を刺激して興奮作用を引き起こすような副作用は全くありません。Xenicalのほとんど唯一の副作用は、便に脂肪が増えることによって生じる不都合。
Xenical は食事の中の脂肪の吸収を阻害するために、脂肪の多い食事をした後にXenicalを使用すると、便に大量の脂肪が混じって、便が軟らかくなったり、脂肪便になります。便中に排泄される脂肪が多くなると、便の回数が多くなったり、おならとともに脂肪が肛門から漏れて下着を汚すこともあります。
このような症状がいつ頃起こるか、どの程度起こるかは、食事の中の脂肪の量や個人差によってまちまちです。食後数時間で起こる場合もあり、数日たってから起こる場合もあります。通常は、服用し始めの頃に起こり、しばらくすると次第に起こらなくなります。
大切なことは、このような不都合は食事の中の脂肪の量を減らすことによりコントロールできる事です。このような不都合を引き起こすのは、Xenicalではなく、食事の中の脂肪であることを理解しておくことが大切です。

Xenical を服用してはいけないのは?
成長期の小児、栄養不良の人はXenicalは服用できません。
Xenicalは血液中にはごく微量しか吸収されませんが、胎児や乳児への安全性はまだ十分なデータが出ていませんので、妊娠中あるいは妊娠する可能性がある人、授乳中の人は服用しないで下さい。

Xenical の処方を受けるには?
Xenicalは医薬品ですので医師の処方箋が必要です。欧米など多くの国では肥満の治療薬として使用されていますが、日本では未認可です。したがって、保険を使うことはできません。
また、Xenicalは脂肪の吸収を抑えることから、脂肪に溶けて吸収される薬を服用している場合には注意が必要です。このような指導を受けて安全なダイエットを行うために、最初は医師の指導を受けることが大切です。

Xenicalの薬理学的解説はこちらをクリック


*銀座東京クリニックでは取り扱いしておりません。

 

 
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