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1.なぜ、西洋医学の標準治療を漢方治療で補う必要があるのか。
病気の治療には、科学的な証拠に基づいた最善の治療法が選択されなければなりません。
かつて1980年代までは「お任せ医療」でしたが、この10年くらいの間にインフォームド・コンセントは事実上制度化され、今や患者さんへの情報開示は当たり前になってきました。
このような患者側の権利が強くなると、医療側も治療のガイドラインやマニュアル化が進められてきました。
患者さんが医師を訪れた瞬間から、その病気や症状に応じて実施すべき検査や医師がすべき診療は事実上定まっているし、一旦診断が確定したなら、なすべき治療法も定まっています。
これが 標準治療 で、この標準治療の実践なくして治療成績の向上はないといっても間違いではありません。
しかし、この標準治療だけで病気が治らないものも多くあります。
がんやウイルス性肝炎、自己免疫疾患、神経変性疾患などは、西洋医学の標準治療だけでは限界があります。
標準治療だけでうまくいかないときに、それを補う目的で様々な 伝統医療 や自然療法 などが行われており、これらを 代替医療 と言っています。代替医療の多くは、体が持っている自然治癒力や抵抗力を活性化することによって病気を治そうという治療です。
体の治癒力を高めるためには、体質や体力や病気の状態に応じて最適な方法は異なります。
従って、マニュアル化は困難ですので標準治療に入れることは不可能です。
つまり、標準治療には、体の治癒力を高める治療法が取り入れられることは少ないのです。
漢方は体の治癒力を高めて病気を治す方法を探究して発展してきた医療体系です。
効果があいまいであるとか、個人差があるとかで、西洋医学の標準治療には組み入れられていません。
しかし、患者さん一人一人に合った漢方治療を行なえば、確実に治癒力や抵抗力を高めることができます。
がん治療においては、がんを攻撃するだけでなく、体の 抗がん力 を高める方法が必要です。
その目的には漢方治療や健康食品を上手に活用するが役に立つのです。
2.なぜ、漢方薬と健康食品を併用するのか?
1)漢方は体の治癒力を高める理論を持っている。
漢方は、数千年に及ぶ臨床経験の中から、体の自然治癒力を高めて病気を治す方法を探究し、独自の理論を確立してきました。
抗がん力を高めるためにも、漢方の理論と方法論は非常に参考になります。
健康食品も、目についたものを片っ端から取っても効果は上がりません。
健康食品の効果を最大限に引き出すために、治癒力を高める漢方理論が役に立つのです。
2)健康食品は新たに見い出された「上薬」。
漢方では、体に穏やかに作用し、自然治癒力を引き出して病気を治すような薬を「 上薬 」といって最も格の高い薬として位置づけています。
高麗人参や霊芝など多くの「上薬」が漢方治療には使われています。
しかし、その多くは2000年前とあまり変わっていません。
生薬は、乾燥や刻みなど保管や運搬に便利なように簡単な加工は行いますが、特殊な酵素処理や一部の成分を精製したりして高度に加工したものは生薬には入れられません。
そのような技術のなかった古代からの経験で使用するのが原則だからです。
しかし、このような科学的な処理を行うことによって、免疫力増強作用や抗酸化作用が高まることも知られています。近代科学の技術によって効果が高められたものを、現代に新たに出現した「上薬」として利用することは、あまり進歩のない漢方をより近代化してレベルを高めることにつながります。
健康食品も、現代技術で効果を高めた「上薬」の一種として、漢方理論の中で活用すれば、漢方治療の効果も高まると言えます。
3)健康食品と漢方薬は相乗効果が期待できる。
免疫力や抗酸化力を増強する作用の強い健康食品が開発されており、これらを積極的に使うことは抗がん力を高める上で有用です。
しかし、栄養の吸収や血液循環が悪かったり、新陳代謝や解毒機能が低かったりすると、免疫力を抗酸化力を高める薬をいくら使っても十分な効果を得ることはできません。
漢方薬は、体の自然治癒力を妨げている要因を取り除き、体の機能ののバランスを正常化することによって自然治癒力が働きやすい体の状態を作りあげます。
そのような体の環境が整ったときに健康食品を適切に使うと、より効果が出現するのです。
つまり、漢方薬と健康食品を賢く使えば、相乗効果が期待できるのです.
3.なぜ自由(自費)診療が必要か
1)保険診療とは?
1961年に「 国民皆保険制度 」が施行され、貧富の差がなく全ての国民が平等な医療が受けられる様になりました。
これは診療に対する医師への報酬額が決められており、患者さんはそれぞれ加入している保険(国民保険、社会保険など)から何割かの負担額を支払うというものです。
この為、保険診療を受ける限り、どこの病院や診療所に行っても同じ金額で同じ診療を受けられるという「安心」があり、経済的負担が少ないため気軽に医療を受けられる様になりました。
しかし保険診療には「保険が利く範囲」があり、病気ごとに検査内容や使用できる薬などが決まっています。
自由競争の規制、政府の医療への干渉、それによる医療の質の低下、患者の選択の自由の制限などの弊害もあります。
診療報酬の組み立てが「出来高払い」であるため、「薬漬け」や「不用な検査」を行う医者ほど収入が上がり、良心的で診断の正しい医師は淘汰されるという傾向もあります。
カゼや胃腸炎のように治りやすい病気や、確実に治る治療法が確立されている場合には、保険診療は非常に恩恵のある診療と言えます。
しかし、通常の医療(西洋医学)で治らないような病気に対しては、診療内容に大きな制約が加えられている保険診療は、必ずしも最良の医療が受けられるとは限りません。
2)自由(自費)診療とは
「保険が効かない」ものが自費診療です。
例えば、美容整形は病気の治療ではないので、保険では認められません。
歯科での歯の詰め物は、保険で認められているものより良い材質のものを使う場合も自費になります。
保険診療では必要最低限の診療を受ける権利のようなもので、人より良い医療を受ける事は制限されているのです。
漢方治療の多くは保険で行えますが、病名ごとに使える漢方薬が保険診療では制限されているため、各個人の体質や病気の状態に合わせたきめの細かい診療を行なおうとすると保険診療は馴染みません。
そのため漢方診療を専門に行っている所は自費診療が多くなっています。
3)どっちにするか
保険で使える診療は保険診療で行い、保険で認められていない部分は自費診療で行えれば解決するのですが、これは「 混合診療 」といって、現時点では認められていません。
混合診療を認めると、平等な医療を受ける機会を保証した皆保険制度の主旨に反するからというのが理由です。
保険診療(健康保険を使って診療を受けること)の場合には、「初診から治療の終了に至る一連の診療行為の中に、保険がきく診療行為と保険がきかない診療行為を混在させてはならない」という「混合診療の禁止」のルールがあるのです。
このルールがある以上、保険がきかない部分に対して患者に自己負担を求めようとするなら「一連の診療行為」全てを自由診療、すなわち全額自己負担にしなければならないのです。
がん治療の中に、体の抵抗力や治癒力を高めるような治療があまり重視されていない理由の一つは、そのような治療法は保険診療で認められていないからです。
漢方治療や健康食品などを利用して抗がん力を高めることを目標とした治療を行おうとしても、保険診療では様々な制限が加えられており、納得のいく治療はできないというジレンマが発生しているのです。
4)自費診療のメリットは何か。
医療において「コスト(費用)を抑える」「アクセス(診療機関への受診しやすさ)を保証する」「質を良くする」の3つとも同時に達成することは不可能だと言われています。
我が国の国民皆保険制度は「安い費用で、平等に医療を受けられる」医療を目指しています。
しかし、現実はどうでしょうか。
自己負担の金額が少ないため、ちょっとした病気や体の不調でも病院にかかるようになり、だれでも自由に病院を選べることから大病院志向になって患者が一ヶ所に集まって「3時間待ちの3分診療」と言われるほど、待ち時間が長くなってアクセスが良くなったとは決していえません。
さらに重要な事は、医師は一人当たりの診療時間が短く制限されるため、十分な診察もできず、医療の質が落ちる原因ともなっています。
十分な説明や納得の行く治療満足が受けられないという患者側の不満も出てきます。
今の保険制度では、一人に5分間の診察でも、1時間の診察でも診察料は同じです。
時間をかけて丁寧な診察と十分な説明をしたくても、保険診療のもとでは一人の患者さんに長く時間をかけると経営困難になってしまいます。
保険診療=制限診療なのです。
つまり、自由診療にすることにより、患者様の経済的負担は多少大きくなりますが、1)十分な時間をかけて診療ができる、2)保険で認められない治療を自由に提供できる、3)患者様の利便性が高まる、といったより質の高い、「患者中心」の医療が実践できるメリットがあるのです。
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