東京銀座クリニック
 
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  クリニック紹介:月刊がん「もっといい日」2004年7月号(p.106-107) 

銀座東京クリニック:東京都中央区

患者の体質・症状に応じた、体にやさしいオーダーメイドのがん漢方治療を実施

さまざまな漢方生薬を処方した、独自のがん漢方治療で定評がある銀座東京クリニック。漢方薬だけでなく、日本ではまだ未承認の医薬品も用いるなど、西洋医学と東洋医学を併用した総合的ながん治療を実践している。

漢方薬は抵抗力や治癒力を高めるノウハウの宝庫

 銀座東京クリニックは、がんと肝炎の漢方治療と代替医療が専門。2年前に両国に開設し、自然治癒力を高める東洋医学と西洋医学の最新知識を統合した、独自のがん漢方治療をスタートした。そして、昨年8月、銀座に移転。患者は、都内のみならず、関東近県、遠方からも訪れる。
 院長の福田一典医師は、「がんは全身病である」との考えから、初診にはじっくりと1〜2時間ほどかける。そのため、1日に4〜5人の診察が限度だそうだ。
 同クリニックを訪れる患者は、抗がん剤や放射線治療の副作用に苦しんで代替医療を望む患者、再発予防の患者、さらに余命数カ月と宣告されてほかに治療法がない患者の三つのタイプに大別される。福田医師は開業前の診療を含め、これまでに1000例以上の、がん患者の漢方治療の経験をもつ。
 「漢方医学は数千年の歴史があり、体の抵抗力や治癒力を高めるノウハウの宝庫です。このノウハウは、長い歴史のなかで培われてきたもので、サプリメントや健康食品を用いた代替医療より、効果や経済性の面においても優れていると考えています」
 漢方では、気・血・水という病理概念があり、これらのバランスが崩れることによって病が発生すると考えられている。T気Uは生命エネルギー、T血Uは血液、T水Uは体液やリンパ液を指す。
 「体力、気力、臓器機能が低下した状態をT気虚U、栄養状態の障害をT血虚Uといいますが、抗がん剤治療などを受けていると、元気もなくなるし栄養状態も悪くなる。すなわち、気虚・血虚の状態に陥ってしまう。漢方薬はそのような状態に応じて、栄養状態を高めるとか、血行をよくしてオ血(血の滞り)を改善するなど、一人ひとりにあった処方がなされます」
 漢方薬といっても、顆粒薬やエキス剤ではない。100種類以上の生薬のなかから、患者の個々の状態によって福田医師が20〜30種類を調合して処方し、患者はこの漢方薬を煎じて服用する。
 「漢方の場合、がんの患者さんに免疫だけを上げるようなことはしない」そうで、気の巡りをよくし、オ血を改善して血行を促すために、『駆オ血薬』や『補気薬』『補血薬』を用いるのが基本となる。炎症を訴えるなどは『清熱解毒薬』が用いられる。
 西洋医学にオーダーメイド医療という言葉がある。
 「簡単に言えば、遺伝子レべルで調べて、その患者さんにあった薬剤を使用するというもの。 一方、漢方処方は西洋医学のアプローチとは明らかに異なりますが、体質や状態に応じて個々に処方されるわけで、これもある種のオーダーメイド医療といえます」

エビデンスのあるサプリメントや日本では未承認の医薬品も併用

 福田医師が用いるのは漢方薬に限ったことではない。抗腫瘍効果のデータがあるサリドマイド、COX-2阻害剤の一つであるセレブレックス、抗マラリア薬のアルテスネイトなどの未承認医薬品も併用する。
 胎児奇形をもたらすとして発売禁止となり、医療現場から姿を消したサリドマイドだが、最近新たに血管新生阻害作用のあることがわかり、がん治療において有用な薬であることが次第に明らかになってきている。
 「サリドマイドには、がんの悪液質(がん細胞が放出する物質によって、体力の消耗や食欲不振などが起こる状態)の原因である腫瘍壊死因子α(TNFーα)の阻害作用があるため、進行がん患者のQOL(生活の質)の改善作用も期待されています。
 多発性骨髄腫や脳腫瘍、腎臓がん、肝臓がん、前立腺がんなどのがんに効くというデータもあります。また、食欲増進や倦怠感の改善が見られることも多いのです」
 ただし、日本では未承認のために福田医師は個人輸入して厳重管理のもと、慎重に用いている。サリドマイドは、薬害被害者とがん患者、双方の立場からさまざまな意見が述べられており、まだまだ論議は続くだろう。
 一方、セレブレックスは、がん細胞や炎症細胞の細胞内でプロスタグランジンE2を産生する酵素である、シクロオキナーぜ2(COX-2)の働きを阻害するというものだ。
 「プロスタグランジンE2は、血管の新生、がん細胞の増殖、抗腫瘍免疫の抑制などの作用によって、がんを悪化させます。これに対し、セレブレックスはCOX-2の働きを阻害することのよって数多くの抗主腫瘍効果を発揮します。漢方にも限界がありますから、このような未承認医薬品やサプリメントなども、積極的に利用しています」
 がんの末期だと言われると、多くの人はもう打つ手は何もないと考えがちである。がんの患者がなぜ亡くなるのか?それは悪液質のせいだという、考え方もあるそうだ。
 福田医師は、「がんが大きくなると、老廃物とかいろんな物質を出して体を消耗させていく。しかし、人間が本来持っている自然治癒力や生命力をうまく引き出してやれば、悪液質を改善し、延命も可能」であると考える。
 漢方のなかには、抗腫瘍活性、血行改善、血液浄化、抗酸化作用などのほか、悪液質を改善するものもある。体力や気力、生命力などを改善する処方を用いれば、治癒力も高まるし、延命にもつながる。漢方薬には、このような患者のQOLを改善するさまざまなノウハウもある。
 同クリニックでは、自然治癒力を重視し、生命力の可能性を最大限に活用するような治療を目標に、がんの休眠や、がんとの共存を目指した体にやさしいがん治療が実践されている。

 
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