末期がんでも根拠のある代替医療でQOL改善と延命につながる 

Yさん(68歳、男性)は食欲不振と体重減少を訴えて近くの病院を受診しました。検査の結果、膵臓に大きながんが見つかり、既に肝臓と肺に多数の転移がありました。抗がん剤治療が実施されましたが、吐き気や白血球減少など副作用が強く出たため1回で中止になり、西洋医学的には他に方法がないと説明を受け自宅での療養を勧められました。しかし本人は、抗がん漢方薬やサリドマイドなどを使った代替医療に最後の望みを託したいと私の外来を受診して来ました。主治医からは余命3ヶ月の説明を受けていました。
がんは進んでいますが、本人の気力は十分にあり、がんと立ち向かう姿勢を持っていました。そこでがんの悪液質の改善と血管新生阻害作用による抗腫瘍効果が期待できるサリドマイドと、COX-2阻害により膵臓がんの増殖を抑える効果が期待できるセレコックスを併用しました。さらにがんを殺す作用がある抗マラリア薬のアルテスネイトを使い、漢方薬は体力や食欲を高める処方を主体にしました。
治療を開始してからしばらくすると明らかに食欲が出て体調もかなり良くなりました。体調が良くなると、家族と旅行したり仕事の整理をする余裕が出てきました。しかし、がんは少しづつ進行し、少しづつ体重が減少し、がん性腹膜炎によって腹水が溜るようになり、治療開始後14ヶ月で静かに息を引き取りました。治療中、がん性の強い痛みはほとんど起こりませんでした。

Yさんの場合、結局は亡くなったわけですから、どの程度の効果があったか判断できません。余命3ヶ月と言われていてもそれは平均値であり、何もしなくても1年間生き延びた可能性はあります。しかし、副作用がなくて抗がん活性を有するものを積極的に使えば、がんの増殖速度が遅くなって延命できる可能性は十分にあります。

がんが進行して「末期がん」といわれる状態になると、がん細胞に対する直接的な治療は積極的に行わず、痛みの軽減や栄養状態の改善だけを目標とした治療を中心に行います。これを保存的治療とか緩和治療と言いますが、言い方を代えれば「匙を投げられた」ことです。匙をなげられた患者さんの本当の苦しみは希望がないことです。何も希望がない、方法がないという絶望感や不安感は免疫力を低下させるだけでなく、生きる力も失わせて死期を早めます。

西洋医学で匙を投げられても、漢方治療で可能性に挑戦してみませんか、といってあげることは非常に意味があります。末期がんの場合、精神的なケアーにおいて、患者さんに希望をもってもらうことは非常に重要なことです。末期医療を行うホスピスでも、患者が希望する民間療法や代替医療を利用することは妨げないことが基本になっています。
ひょっとしたら自分にはこれが効くかもしれない、自分には奇跡的に効くかもしれないという期待感と生きる希望を持つことができるだけでも、末期がん患者の精神面でのQOLの改善に役立ちます。抗がん漢方薬やサリドマイド、セレコックス、アルテスネイトなどの治療は、副作用がほとんど無くて、論理的な治療効果の証拠が背景にあるからこそ、患者さんに期待感と生きる希望を与えることができるのです。
たとえ、がんの増殖を抑えることができなくても、一時的にも食欲が出たり、倦怠感が軽快して、生きる希望をもつことができるだけでも意味はあります。漢方治療により食欲が出て体も楽になると、家族との残された日々を楽しむ事も、身辺の整理をする余裕もでてきます。
末期がんの治療においては、結果のみならずその過程が非常に大事です。最後まで人間らしく、回りの人に後悔を残さないためにもがんの末期医療に漢方治療を取り入れる意義はあると思います。
漢方治療にサリドマイドやCOX-2阻害剤やアルテミシニン誘導体など、副作用がなくて抗腫瘍活性を有する治療法を組み合わせれば、延命の可能性をさらに高めることができます。


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