膵臓がんに勝つための 補完・代替療法

出版社 ‏ : ‎ NextPublishing Authors Press

オンデマンド (ペーパーバック) ‏ : ‎ 214ページ

ISBN-10 ‏ : ‎ 4802081367

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4802081368

価格:2200円(消費税込み)

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がんの中で膵臓がんの予後の悪さは群を抜いています
膵臓がんの治療が困難なのはいくつかの理由があります。治療に抵抗する要因に適切に対処すれば、生存率を高め、進行がんでも根治が可能になります。
標準治療を補う治療を補完医療、標準治療に代る治療を代替療法(代替医療)といい、両者を合わせて補完・代替療法と呼ばれています。

膵臓がんは標準治療だけでは根治は困難です。標準治療に適切な補完・代替療法を併用すると、治療成績を顕著に向上できることを、私の臨床経験から確信しました。
本書では、膵臓がんの治療がなぜ困難かという理由を解説し、転用薬や食事療法を組み合わせた膵臓がんの補完・代替療法について解説しています。標準治療で匙を投げられた患者さんでも、治る可能性のある治療法がまだあることを知っていただきたいと願っています。

目次

はじめに     

パートI:膵臓がんの特徴と標準治療の問題点

第1章:膵臓がんが増えている

・細胞の増殖や死は遺伝子によってコントロールされている
・がん遺伝子とがん抑制遺伝子
・がん細胞は多段階的に発生する
・がんの発生率は、食生活や生活習慣や生活環境によって大きな影響を受ける
・今後増えるがんと減るがんがある
・膵臓がんの発生数は人口の高齢化によって増加する
・糖尿病は膵臓がんの発生率を増やす
・米国では肥満の増加で膵臓がんが急激に増えている
・膵臓がんの80%以上は数年以内に亡くなっている

第2章:膵臓がんの5年生存率は10%以下

・膵臓がんの90%以上は膵管上皮から発生する
・膵臓がんは早期発見が困難で、周囲に広がりやすい
・膵臓がんは抗がん剤だけではわずかな延命しか期待できない
・膵臓がんは結合組織が多いので、抗がん剤治療が効きにくい
・ヒアルロン酸を分解する酵素が抗がん剤の効き目を高める?

第3章:抗がん剤を使っていると次第に効果が弱くなる

・抗がん剤を続けていると抗がん剤抵抗性のがん細胞が増えてくる
・進化論と生存競争と抗がん剤耐性
・薬剤耐性になるにはコストがかかる
・がん幹細胞のマーカーのアルデヒド脱水素酵素は抗がん剤耐性に関与する
・ペントースリン酸経路を阻害すると物質合成と抗酸化力が低下する
・細胞内の抗酸化システムを利用して抗がん剤抵抗性になる

第4章:手術や抗がん剤治療ががんの再発を促進する

・原発巣の切除や手術侵襲が転移巣の増大を促進する
・高用量の抗がん剤投与はがん細胞の浸潤性や転移を促進する
・高用量の抗がん剤投与は腫瘍血管の新生を促進する
・抗がん剤で遺伝子変異が促進される

第5章:膵臓がんはK-ras遺伝子の変異が多い

・生存と増殖の中心となるPI3K-Akt経路とERK-MAPK経路
・グアノシン3リン酸(GTP)はシグナル伝達系の制御に働く
・GTP結合タンパク質は細胞内シグナル伝達系のスイッチとして働く
・Gタンパク質の活性化にはイソプレニル化が必要
・K-ras遺伝子の点突然変異は膵臓がんの多くで見られる

第6章:がん細胞はミトコンドリアでの酸素呼吸が抑制されている

・がん細胞は酸素を使わないエネルギー産生系が亢進している
・グルコースがピルビン酸になる反応を解糖という
・ピルビン酸はミトコンドリアで酸素を使って分解される
・がん細胞は乳酸産生が増えている
・がん細胞はミトコンドリアでの酸化的リン酸化が抑制されている
・ワールブルグ効果はがん細胞の生存と増殖を助ける
・低酸素になると低酸素誘導因子-1の発現が亢進する
・がん細胞ではHIF-1が恒常的に活性化している

パートII:医薬品転用による膵臓がん治療

第7章:結合組織増生を抑制するオールトランス・レチノイン酸とビタミンD3

・膵臓がんの間質反応を制御する膵星細胞
・オールトランス・レチノイン酸は細胞分化を誘導する
・ビタミンD受容体の構造と機能
・ビタミンDは膵臓がん患者の予後を良くする

第8章:抗炎症剤は膵臓がんの増殖と悪生進展を阻止する

・膵臓がん患者の多くは診断前にうつ病を発症している
・炎症性サイトカインがうつ症状を引き起こす
・間質の細胞ががん細胞の増殖や転移に影響する
・IL-6/STAT3シグナル伝達系ががんや炎症を促進する
・STAT3はがん細胞の増殖を促進する
・STAT3はワールブルグ効果の成立にも関与する
・膵星細胞はIL-6/STAT3シグナル伝達系を刺激してがん細胞の増殖を促進する
・オーラノフィンは関節リュウマチの治療薬
・オーラノフィンはSTAT3を阻害する
・放射線治療や抗がん剤治療で死滅したがん細胞はがん幹細胞の再増殖を刺激する

第9章:スタチンとトコトリエノールはメバロン酸経路を抑制する

・コレステロールはがん細胞の発生と増殖を促進する
・コレステロールはアセチルCoAを材料に体内で合成される
・スタチンはメバロン酸経路でのイソプレノイド生成を低下してGTP結合タンパク質の活性を阻害する
・スタチンは膵臓がん患者の生存率を高める
・脂肪酸やコレステロールの産生はフィードバック阻害によって調節されている
・トコトリエノールはビタミンEの一種
・トコトリエノールはHMG-CoA還元酵素の量を減らしてスタチンの抗腫瘍効果を増強する
・トコトリエノールは他の薬剤の抗がん作用を増強する

第10章:Hippo経路をターゲットにした膵臓がん治療

・がん細胞は接触阻害による増殖停止ができない
・接触阻害を制御するHippo経路
・肝臓がんではYAP/TAZの活性化が高頻度に起こっている
・膵臓がん細胞のYAP活性が高いと予後不良
・膵臓がん治療のターゲットとしてYAP阻害が重要
・イベルメクチンはYes関連タンパク質1(YAP1)発現を阻害する
・ジインドリルメタンはHippo経路を活性化する
・メバロン酸経路とCOX-2の阻害はYAP/TAZ活性を抑制する

第11章:糖尿病治療薬メトホルミンは抗がん剤の効果を高める

・AMP活性化プロテインキナーゼはエネルギー低下を感知して活性化される
・糖尿病治療薬メトホルミンはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化する
・メトホルミンは様々ながんで抗腫瘍効果を発揮する
・メトホルミンは抗がん剤治療の効果を高める
・メトホルミンは上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤の効き目を高める
・メトホルミンは免疫チェックポイント阻害剤の効き目を高める

第12章:ワールブルグ効果を是正するがん治療

・2-デオキシ-D-グルコースはグルコース(ブドウ糖)の誘導体
・グルコース誘導体の抗がん作用
・2-デオキシ-D-グルコースは抗がん剤治療や放射線治療の効き目を高める
・抗がん剤治療に2-DGを併用すると抗腫瘍免疫が誘導される
・2-デオキシ-D-グルコースの服用法と毒性について
・がん細胞ではピルビン酸脱水素酵素キナーゼの活性が亢進している
・ジクロロ酢酸ナトリウムはピルビン酸脱水素酵素キナーゼを阻害する
・ジクロロ酢酸ナトリウムはHIF-1の活性を抑制する
・ワールブルグ効果は正常化できる

第13章:断酒薬ジスルフィラムはがん幹細胞の抗がん剤耐性を阻止する

・抗がん剤を使っていると効き目が弱くなる
・アルコールの代謝産物のアセトアルデヒドは毒性がある
・がん幹細胞はアルデヒド脱水素酵素の発現が亢進している
・アルデヒド脱水素酵素は酸化ストレスを軽減している
・アルデヒド脱水素酵素は抗がん剤耐性を引き起こす
・ジスルフィラムはアルデヒド脱水素酵素を阻害する
・ジスルフィラムプロテアソームを阻害する
・ジスルフィラムは多くの抗がん剤治療の抗腫瘍効果を高める

第14章:オートファジー阻害は抗がん剤治療の効果を高める

・細胞が栄養飢餓になるとオートファジーが亢進する
・休眠状態のがん細胞はオートファジーによって生存を維持する
・オートファジーは抗がん剤や放射線によるダメージからがん細胞を保護する
・ヒドロキシクロロキンは全身性エリテマトーデスの治療薬
・ヒドロキシクロロキンはオートファジーを阻害する
・オートファジー阻害は様々な抗がん剤の効き目を高める

第15章:漢方薬は膵臓がん患者の生存率を高める

・漢方薬は天然薬物を組み合わせて作る
・植物が産生する二次代謝産物は薬の宝庫
・植物には抗がん作用を示す成分が多数見つかっている
・台湾の医療ビッグデータは漢方薬によるがん患者の延命効果を明らかにしている
・抗がん作用のある生薬を組み合せる根拠とは

第16章:ケトン食:断食療法と同じ効果でより安全な食事療法

・絶食すると体脂肪が燃焼してエネルギーが産生される
・グルコースが枯渇した状況で脂肪酸が燃焼するとケトン体が産生される
・血液中のケトン体が増えた状態をケトーシス(ケトン症)と言う
・ケトン体は絶食時の脳のエネルギー源となる
・ケトン体は飢餓を生き延びるために進化の過程で獲得した代謝系
・ケトン食はてんかんの治療法として開発された
・ケトン食は絶食療法と同じ効果がある
・ケトン食は安全な食事療法
・ケトン体のβヒドロキシ酪酸はミトコンドリアを活性化する
・βヒドロキシ酪酸はグルコースとグルタミンの利用を抑制する
・がん治療における中鎖脂肪ケトン食の基本

おわりに:      

文献: 

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