東京銀座クリニック
 
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Ukrain(ウクライン)の抗がん作用

UKRAIN は植物のChelidonium majus L. (日本名:クサノオウ) から抽出したアルカロイド成分と、抗がん剤として使用されているThiotepa(チオテパ)を組み合わせた薬剤です。
昔のソビエト連邦においてがん治療薬として認可されていましたが、ソ連崩壊後は主にヨーロッパを中心にがんの代替医療に使用されています。その抗がん作用については20年以上前から研究が行われており、培養細胞を使った実験や動物実験では、非常に優れた抗腫瘍効果が数多く報告されています。
人間における有効性を示す症例報告や臨床試験も数多く発表されていますが、臨床試験の多くが厳密なランダム化試験ではないことから、どの程度の有効性があるか客観的な判断はできないという意見もあります。しかし、今まで報告されている症例報告や臨床試験の結果は、標準的治療が効かなくなった進行がん患者に対してUkrainを使用してみる価値があることを示唆しています。

Ukrainとは:
Chelidonium majus L. (クサノオウ) から抽出したアルカロイド成分(chelidonine)とThiotepa(チオテパ)を含む半合成医薬品です。
1アンプル(5ml)中に、Chelidonium majus L. alkaloid - thiophosphoric acid derivative を5mg含有し、 溶媒は注射用蒸留水で pH は 3.5 〜 5.5です。静脈注射で投与します。

クサノオウとは:
Chelidonium majus L.(Greater celandine)は、日本では「クサノオウ」と呼ばれているケシ科クサノオウ属の植物です。道ばたや草地などに生え、初夏に黄色い花が咲き、茎や葉を切ると橙黄色の乳液が出ます。この乳液にはアルカロイドが含まれ、鎮痛作用などの作用があり、世界中で薬草として利用されています。漢方では「白屈菜(はっくつさい)」と呼ばれ、止痛・止咳・解毒の効能があり、胃痛・黄疸・皮膚疾患などに用いられています。民間療法では、湿疹やイボに、生の汁を塗布したり煎じ液で洗浄する治療法が行われています。
クサノオウの成分による抗がん作用についても古くから薬草書に記載されています。
UKRAINには次のような特徴があります:
1)静脈注射にて投与すると、すみやかに腫瘍組織に蓄積します。がん細胞の核(特に核小体)に蓄積してがん細胞にアポトーシス(細胞死)を引き起こしますが、正常細胞にはほとんど蓄積しないため毒作用は示しません。
2)血管新生阻害作用があり、腫瘍の増大を抑えます。
3)キラーT細胞やナチュラルキラー細胞を活性化して、がん細胞に対する免疫力を増強します。
4)毒性を示す濃度と有効濃度との比率(治療指数)は1250であり、極めて安全性が高いことが示されています。正常細胞に対してUKRAINは全くダメージを起こさず、正常細胞に毒性を示す濃度の数百分の1の濃度で癌細胞を殺すことができます。(通常の抗がん剤の治療指数は1.4〜1.8と言われています)

適応疾患(効果の期待できる腫瘍の種類):
結腸・直腸がん、乳がん、膀胱がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮頚がん、子宮体がん、口腔がん、小細胞性肺がん、非小細胞性肺がん、頭頚部がん、精巣がん、様々な肉腫、悪性黒色腫、悪性リンパ腫など。

費用:
UKRAIN は静脈内注射にて投与されます。1アンプル(5mg)が16000円(税込み)です。(*)
1回の投与量は5〜20mg(1〜4アンプル)であり、1週間に1〜3回注射します。腫瘍の大きさや増殖スピード、腫瘍の広がり、免疫力の状況によって量が決定されます。
1週間で32000円〜128000円程度(2〜8アンプルとして)かかります。
通常、40アンプル(200mg)投与後に画像検査や腫瘍マーカー検査などで総合的に評価して、効果がみられなければ中止します。効果があれば、腫瘍の大きさや効果の程度に合わせて週に2〜8アンプルの範囲で継続することになります。
1回に4アンプルを0.3g/kgのビタミンCの入った250mlの点滴に入れて、週3回投与を計10回を1クールとして、2クール実施することによって著明な抗腫瘍効果を得ているという報告があります。この場合、2クールを実施すると80アンプル(400mg)の投与になり、費用は128万円かかります。
日本では未認可医薬品ですので、保険は使用できません。
医療機関における治療ですので、確定申告の医療費控除の対象になります。

(*)ウクライン治療の費用について:当クリニックでは2005年からウクライン治療を1アンプル10000円(税込み)で行ってきましたが、2011年に製造元のNowicky Pharmaがウクラインの価格を2倍以上に上げてきましたので、2011年3月より1アンプルを16000円(税込み)にせざるを得なくなりましたので、ご了承下さい。

お問合せ:
お問合せや不明な点などありましたら、お問合せフォームか、info@1ginzaclinic.com へ直接メールにてお問合せ下さい。電話(03-5550-3552)でも受付けています。

Ukrainの薬剤情報(投与法や副作用など)はこちらへ

人間のがんに対するウクラインの効果を検討したランダム化臨床試験の論文報告

進行大腸がん患者におけるランダム化臨床試験(ウクライナ):
(Drugs Exp. Clin. Res. 22:115-122, 1996)
5-FUと放射線治療を受けた48例と、ウクライン単独での治療を受けた48例の生存率を比較。
21ヶ月後の生存率は、5-FUと放射線治療を受けたグループが33.3%であったのに対して、ウクライン単独で治療を受けたグループでは78.6%であった。

直腸がん患者におけるランダム化臨床試験(ウクライナ):
(Drugs Exp. Clin. Res. 24:221-226, 1998)
手術前に放射線治療と抗がん剤治療(5-FU)を受けた24例と、手術前後にウクライン(手術前に10〜60mgと手術後に40mgの投与)を受けた24例のグループで比較。ウクライン投与グループでは手術の6ヶ月後に1コース100mgのウクライン投与を数回受けた。
再発率や血液データや症状など全てにおいてウクライン治療グループの方が良い結果であった。

膀胱がん患者における臨床試験(ベラルーシ):
(Drugs Exp. Clin. Res. 24:227-230, 1998)
リンパ節や他臓器に転移を認めない比較的早期の膀胱がん患者28例をウクライン単独で治療。ウクラインは1回に10mgを静脈注射し、トータルの投与量が100mg,200mg,300mgの3グループに分けて比較した。
ウクライン投与を受けた患者の60.7%で腫瘍の縮小を認めた。

進行膵臓がん患者におけるランダム化臨床試験(ウクライナ):
(Drugs Exp. Clin. Res. 26:179-190, 2000)
42例の進行膵臓がんを、1)ビタミンC(1日おきに5.4gのビタミンCを10回)とウクライン(10mgのウクラインを1日おきに10回投与)を投与するグループ、2)ビタミンCと生理食塩水を投与する対象グループに分けて比較。
1年後の生存率は、ビタミンC+生理食塩水(対象グループ)が14%であったのに対して、ビタミンC+ウクラインを投与したグループは81%であった。
2年生存率は対象グループが5%に対してウクライン投与グループは43%であった。
Gemcitabineや5-fluorouracilで投与した126例の膵臓がんでは19ヶ月以上の生存者はいなかった。一方、ウクライン治療グループでは、最長54ヶ月の生存者を認めた。
平均生存期間は、対象グループでは8.92ヶ月で、ウクライン治療グループでは21.86ヶ月であった。

膵臓がんの緩和治療におけるランダム化臨床試験(ドイツ):
(Langenbecks Arch Surg. 386:570-574, 2002)
ドイツノUlm大学の外科のグループからの報告で、手術不能の進行膵臓がん90例を、A)gemcitabin(1000mg/m2)、B)ウクライン20mg/週、C)gemcitabin+ウクラインの3つのグループに分けて比較。
腫瘍の増殖抑制が、A群で32%、B群が75%、C群が82%で認められた。中間生存期間は、A群5.2ヶ月、B群7.9ヶ月、C群10.4ヶ月であった。
6ヶ月後の生存率はA群26%、B群65%、C群74%であった。
手術不能の進行した膵臓がんに対して、ウクラインの投与は生存期間や生存率を顕著に良くすることが明らかになった。

膵臓がんに対する臨床効果(ウクライナ):
(Langenbecks Arch Surg. 387:84-89, 2002)
進行した膵臓がん21例をウクライン10mgを1日おきに10回投与し、緩和治療のみを受けたグループと比較。ウクライン投与を受けた患者は疼痛が軽減し、QOLの改善を認めた。1年生存率は緩和治療のみが9.5%に対して、ウクライン投与グループは76%であった。中間生存期間は、緩和治療のみが197日であったのに対して、ウクライン投与群は574日であった。

進行癌203例におけるUkrain治療の臨床経験
Retrospective study of Ukrain treatment in 203 patients with advanced-stage tumors.
Drugs Exp Clin Res. 2000;26(5-6):249-252. 

(要旨)
標準的治療で効果が見られなくなった種々の進行がん患者203例に対して、ドイツのVilla Medical ClinicにおいてUkrainを使った治療が行われた。
76例 (37.4%)は局所温熱療法が併用され、一部の患者は、セレン、シメチジン、胸腺エキス、ビタミンAなどの代替医療が併用された。
標準的治療が無効の患者における治療成績という点において、Ukrainを用いた治療結果は驚くべきものであった。
41例(20.2%)は腫瘍の完全な消失(total remission)がみられ、, 122 例(60.1%) では部分的な腫瘍縮小(partial remission)を認めた。治療に反応しなかったのは40例 (19.7%) であった。
もっとも効果が見られたのは精巣腫瘍(seminoma)であり、4例中3例で腫瘍の消滅(toral remission)、残り1例は部分的な縮小(partial remission)がみられた。また、前立腺がん患者では20例中14例(70%)で完全奏功(total remission)し、5例で部分奏功(partial remission)が見られた。

種々の進行がん患者におけるUkrain治療の結果:
腫瘍の種類
症例数
完全奏功
full remission,%
部分奏功
partial remission, %
効果なし(%)
大腸がん(結腸・直腸)
31
16.1
71
12.9
乳がん
25
28
64
8
前立腺癌
20
70
25
5
小細胞性肺がん
8
12.5
75
12.5
ユーイング肉腫
7
57.1
42.9
0
骨肉腫
7
0
71.5
28.5
印冠細胞がん
7
0
85.7
14.3
膵臓がん
7
0
85.7
14.3
胃がん
6
16.6
66.6
16.6
扁平上皮がん
6
0
83.3
16.6
胆嚢がん
6
0
100
0
neuroblastoma
6
60
20
20
卵巣がん
5
20
80
0
精巣腫瘍
4
75
25
0
Nephroblastoma
4
0
25
75
Glioblastoma
4
0
75
25
肺腺がん
4
0
50
50
子宮がん
4
0
100
0
悪性黒色腫
4
0
75
25
astrocytoma
3
33.3
33.3
33.3
原発不明がん
3
33.3
66.6
0
横紋筋肉腫
3
0
33.3
66.6
medulloblastoma
3
0
66.6
33.3
非ホジキンリンパ腫
3
0
66.6
33.3
胸膜中膜腫
3
0
66.6
33.3
203
20.2
60.1
19.7

1回に4アンプルを0.3g/kg体重のビタミンCの入った250mlの点滴に入れて、週3回投与を計10回(総投与量40アンプル)を1クールとして、2クール実施することによって著明な抗腫瘍効果を得ているという報告があります。この場合、2クールを実施すると80アンプル(400mg)の投与になり、費用は128万円かかりますが、他に方法が無い場合に試してみる価値はありそうです。

Ukrainの公式サイト(英文)はこちらへ
公式サイトの日本語訳はこちらへ

 
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