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Tarceva(Erlotinib)の使用法と副作用のまとめ
【服用法】
Tarcevaは1錠が100mgか150mgの錠剤を、1日1回1錠を食間に服用します。食事の1時間以上前か、食後2時間以上経ってから服用します。
Tarcevaの服用は、腫瘍が増大し始める(効果が無くなる)か、耐えられない副作用が出現するまで継続します。腫瘍の増大を抑えられない場合には、Tarcevaの服用を続けてもメリットがあるという証拠はありません。
決められた時刻に服用を忘れた場合には、同じ日であれば、食間であれば何時でも服用できます。
1日完全に服用できなかった場合には、次の日に2錠を服用することはできません。1日1回1錠を厳守します。
【Tarcevaの副作用】
Tarcevaの最も一般的な副作用は、皮膚症状(発疹、カサカサ、斑点など)、下痢、目や口の乾燥、倦怠感、頭痛、口内炎などです。新薬であるため、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。
副作用が重い場合には、服用量を減らしたり、一時的に服用を中断しなければなりません。
下痢が強い場合にはロペミンで治療を行いますが、下痢がひどい場合には服薬を中断するか量を減らします。
稀に、間質性肺炎や肝機能障害が発生する場合もあります。
服用中に、今迄なかった咳や呼吸困難などの呼吸器症状が現れた場合には、服薬を中止してレントゲン検査を受けて下さい。定期的(2週間に1回程度)に血液検査で、肝機能などのチェックを受けて下さい。
【その他の注意 】
Tarcevaの多くは肝臓で代謝されて、胆汁中に排泄されます。肝臓の薬物代謝酵素を阻害したり誘導する薬物との併用によってTarcevaの血中濃度が影響を受ける場合があります。服用している薬物やサプリメントなどがありましたら、服用前にご相談下さい。
他人が間違って服用しないように保管には注意してください。
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【がん細胞の増殖を刺激する成長因子】
私達の体の中には、細胞の分裂を促す成長因子(Growth factor)というタンパク質が存在します。この成長因子は細胞表面にある受容体(receptor)という構造に結合することによって、その働きを発揮します。つまり、細胞表面のレセプターに成長因子が結合すると、細胞増殖のシグナルが細胞内に伝わって、その細胞は分裂を開始するのです。
がん細胞の分裂や増殖も、このような成長因子によって促進されるため、成長因子と受容体の結合を阻害したり、細胞内の増殖シグナルの伝達を阻止すると、がん細胞の増殖を止めることができます。
Erlotinibは、上皮成長因子(Epidermal Growth Factor, EGF)が結合する細胞側の受容体(EGFR)の働きを阻害する薬です。このEGFRというのは、チロシンキナーゼ(tyrosine kinases)というタンパク質の一種で、したがって、Erlotinibはチロシンキナーゼ阻害剤という薬の一種になります。Erlotinbは細胞増殖を刺激するチロシンキナーゼを阻害することによって、がん細胞の増殖を抑える作用が期待できるのです。
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Tarceva(erlotinib)の医薬品情報
【定義】
TARCEVA (erlotinib) は人間の Epidermal Growth Factor Receptor Type 1/Epidermal Growth Factor Receptor (HER1/EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤( tyrosine kinase inhibitor)です。
化学構造は N-(3-ethynylphenyl)-6,7-bis(2-methoxyethoxy)-4-quinazolinamine. タルセバはこのerlotinib の塩酸化合物で次のような構造をしています。

Erlotinib塩酸塩の化学式は C22H23N3O4.HCl 分子量は429.90.
タルセバの錠剤は、1錠がerlotinibとして25 mg, 100 mg and 150 mg を含む3種類の剤型があります。
賦形剤としては lactose monohydrate, hypromellose, hydroxypropyl cellulose, magnesium stearate, microcrystalline cellulose, sodium starch glycolate, sodium lauryl sulfate and titanium dioxideが含有されています。
【臨床薬理】
○作用機序:Erlotinib は上皮成長因子受容体(EGFR)に関連する細胞内のチロシンキナーゼのリン酸化にょる活性化を阻害します。他のチロシンキナーゼに対する選択性については十分に検討されていません。EGFRは癌細胞のみならず正常細胞にも存在します。
○薬物動態:Erlotinibは経口摂取後およそ60%が消化管から吸収され、その吸収率は食事と一緒に服用することによって100%近くまで増加します。体内での半減期は約36時間で、肝臓における薬物代謝酵素(主にCYP3A4,一部はCYP1A2)によって不活性化されます。
○吸収と体内分布:150mgのErlotinibの経口摂取後の体内への吸収は約60%で、服用4時間後に血中レベルはピークに達します。食後に服用すると、体内への吸収は100%近くまで増加します。
体内に吸収された後、erlotinibの約93% はアルブミンやα1酸性糖蛋白(alpha-1 acid glycoprotein )に結合して血中を循環します。
○代謝と排泄:
肝臓における薬物代謝酵素(主にCYP3A4,一部はCYP1A2)と、肝臓外の CYP1A1によって代謝されます。
100mgを服用した場合、その代謝産物の83%は便に、8%は尿中に排泄されます。
タルセバを単独で服用した場合、体内での半減期は36.2時間です。
タルセバの服用を開始して7〜8日で、血中濃度は定常状態に達します。
タルセバの排泄速度は年令や体重や性別では差は認めませんが、喫煙者ではErlotinibの代謝が24%高まることが示されています。
抗がん剤のgemcitabine(ジェムザール)と併用しても、erlotinibの代謝速度に影響は認められていません。
Erlotinib は主に肝臓で代謝され胆汁中に排泄されますので、肝機能の低下した患者に投与する場合は、投与量の減量などの注意が必要です。
尿中への排泄は9%以下ですが、腎機能障害の場合の臨床試験は行われていないめ、影響は不明です。
○相互作用:
erlotinibは主に肝臓の薬物代謝酵素CYP3A4によって代謝されるため、, CYP3A4を阻害する医薬品(ketoconazoleなど)はerlotinibの代謝を遅らせます。
一方、CYP3A4の産生を刺激するrifampicinは erlotinib の排泄速度を3倍に促進し、最高血中濃度も2/3に低下します。
gemcitabineはerlotinibの代謝に影響は及ぼしません。
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【臨床試験】
非小細胞性肺がん:タルセバの単独投与:
少なくとも1つ以上の抗癌剤治療法で効果が得られなかった進行性の肺がん患者731例による、二重盲検のランダム化試験で、タルセバの有効性と安全性が検討されています。
患者は2:1に分けられ、タルセバ150mg投与群488例と偽薬(プラシーボ)群243例で、比較検討が行なわれ、がんが進行するか毒性が強く現れるまで投与が行なわれました。
有効性の評価は、生存期間(overall survival)、奏功率(response rate)、進行の抑えられた期間(progression-free survival, PFS)、奏功期間(Duration of response)で行なわれました。
この臨床試験は17カ国が参加し、約半数の326例ではEGFRの発現が検討されていました。
結果:
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タルセバ
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偽薬
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| 生存期間 |
平均 6.7 ヵ月
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平均 4.7 ヵ月
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| 1年生存率 |
31.2 %
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21.5 %
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| Progression-free survival |
9.9 週
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7.9 週
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| Tumor Response (CR+PR) |
8.9 %
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0.8 %
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| Response Duration |
34.3 週
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15.9 週
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図:生存率

図2:Survival Hazard Ratio (HR) (TARCEVA: Placebo)
EGFR陽性の患者ではタルセバは生存期間を延長します。
今まで喫煙したことがなく、EGFRが陽性の場合は、生存率の向上が認められました。
非小細胞性肺がんにおいて、抗がん剤治療にタルセバを追加しても、有益性は認められませんでした。
膵臓がん:gemcitabineとタルセバの併用
進行した切除不能の膵臓がん患者569例において、タルセバとgemciabineの併用による治療効果(有効性と安全性)がランダム化二重盲験試験で検討されています。
gemcitabine1000mg/m2( Cycle 1 - Days 1, 8, 15, 22, 29, 36 and 43 of an 8 week cycle; Cycle 2 and subsequent cycles - Days 1, 8 and 15 of a 4 week cycle)と, タルセバ(0 mg,100 mg , 150 mg) の併用で、タルセバは腫瘍が増大するか毒性が耐えられなくなるまで毎日服用されました。
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タルセバ+ gemcitabine
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偽薬 + gemcitabine
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| 生存期間 |
平均 6.4 ヵ月
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平均 6.0 ヵ月
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| 1年生存率 |
23.8 %
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19.4 %
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| Progression-free survival |
3.8 ヵ月
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3.5 ヵ月
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| Tumor Response (CR+PR) |
8.6 %
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7.9 %
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| Response Duration |
23.9 週
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23.3 週
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TARCEVA+
Gemcitabine Placebo+
Gemcitabine Hazard
Ratio (1) 95%ハCI p-value
1-year Survival 23.8% 19.4% ハ ハ ハ
Progression-Free Survival Median
3.8 mo
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【タルセバの適応】
非小細胞性肺がん:タルセバ単独投与は、少なくとも1つ以上の方法で行なわれた抗がん剤治療で効果の認められなかった進行性の肺がんに適応となります。
白金製剤をベースとした抗がん剤と併用しても、有益性は認められませんので、そのような使用は推奨できません。
膵臓がん:進行した膵臓がんに対して、gemcitabineとの併用で使用することは適応となります。
【禁忌】なし
【警告】
肺毒性:
タルセバを使用したがん患者の中に、重篤な間質性肺炎の発生が稀に認められ、致死的な場合もあります。
非小細胞性肺がんにおける間質性肺炎の発生頻度は、タルセバ投与群と非投与群の間で有意な差は認められていません。
膵臓がんの臨床試験では、間質性肺炎の発生頻度は、gemcitabine単独群が0.4%で、タルセバ+gemcitabineでは2.5%でした。
約4900例のタルセバ治療患者において間質性肺炎様の症状が認められたのは約0.7%でした。
症状発現は、服用開始後5日から9ヶ月以上と様々で、平均は39日でした。
肺がん患者では、抗がん剤治療、放射線治療、治療前からの肺疾患の存在、転移、肺感染症など、間質性肺炎の原因となるような要因も多く存在しています。
新たに、呼吸困難や咳や発熱が出現した場合や、そのような症状が進行性に悪化する場合には、タルセバは中止し、診断のための検査を行ないます。間質性肺炎の診断がつけば、タルセバは中止し、必要な治療を行ないます。
心筋梗塞/狭心症:
膵臓がんの臨床試験では、タルセバとgemcitabineの併用療法を受けた6例(2.3%)で、心筋梗塞や狭心症が認められました。1例は心筋梗塞が原因で死亡しました。一方、gemcitabine単独の場合は、心筋梗塞/狭心症の発生は3例(1.2%)で、心筋梗塞による死亡は1例でした。
脳血管系への副作用:
膵臓がんにおけるタルセバ/gemcitabineの臨床試験では、6例(2.3%)に脳血管系の異常(脳出血など)がみられ、1例は脳出血が原因となって死亡しました。偽薬/gemcitabineの患者群にはそのような脳出血の副作用は認められていません。
血小板減少を伴う微小血管性溶血性貧血:
タルセバ/gemcitabineの投与を受けた膵臓がん患者において、血小板減少を伴う微小血管性溶血性貧血が2例(0.8%)に認められました。偽薬/gemcitabineの患者群にはそのような副作用は認められませんでした。
妊娠への影響:
ウサギの実験で、人間の投与量の3倍に相当するタルセバを投与すると、胎児の死亡や流産が観察されました。
ウサギやラットの実験で、胎児の臓器形成期間にタルセバを人間の投与量と同じレベルを投与した場合には、胎児の死亡や流産は起こりませんでした。しかし、メスのウサギに交配時に人間の投与量の0.3〜0.7倍のタルセバを投与すると、出産数の減少を認めました。
催奇形性(胎児の奇形を引き起こす作用)はウサギやラットの実験では認められていません。
妊娠している女性へのタルセバの影響を検討した臨床試験は行なわれていません。
妊娠可能な女性に対しては、タルセバを服用中は、妊娠しないように指導します。タルセバ終了の2週間後までは避妊をするべきです。
妊娠中にタルセバを投与する必要があるときは、胎児へのリスクが母親への有益性を勝る場合にのみ使用すべきです。もし、妊娠中にタルセバを使う必要がある時は、胎児への影響や流産のリスクを、患者に説明します。
【注意】
医薬品との相互作用:
薬物代謝酵素のCYP3A4を阻害する作用のある薬を服用しているときは、Erlotinibの血中濃度が高くなるので注意が必要です。CYP3A4を阻害する薬として、ketoconazole, atazanavir, clarithromycin, indinavir, itraconazole, nefazodone, nelfinavir, ritonavir, saquinavir, telithromycin, troleandomycin (TAO), voriconazoleなどがあります。
CYP3A4を誘導する薬を服用しているときには、Erlotinibの血中濃度が低下するので、場合によってはタルセバの投与量を増やす必要があります。CYP3A4を誘導する薬として、rifampicin, rifabutin, rifapentine, phenytoin, carbamazepine, phenobarbital, St. John's Wortなどがあります。
肝毒性:
症状の出ない、肝臓トランスアミナーゼ(ALT, AST)の上昇が見られる場合がありますので、定期的に肝機能の検査を行なう必要があります。肝機能の数値の異常が著明は場合は、タルセバの量を減らすか、投与を中止する必要があります。
肝機能障害を持つ患者:
Erlotinibの代謝は主に肝臓で行なわれます。したがって、肝機能に異常がある場合には、erlotinibの血中濃度が上昇する可能性があります。
血液凝固に異常がある場合、ワーファリンのような血液凝固を抑える医薬品を服用している場合:消化管出血などの出血のリスクを高める可能性がありますので、プロトロンビン時間などを定期的にモニターしなければなりません。
発ガン性(carcinogenesis)、変異原性(mutagenesis)、生殖に対する影響(impairment of fertility):
erlotinibの発がん性に関しては、検討されていません。
細菌やヒトのリンパ球や培養細胞などを用いた試験管内の遺伝子毒性に関する検討や、マウスの骨髄実験などでは、変異原性は認められませんでした。
生殖能力を障害する作用も認められませんでした。
授乳中の投与:
erlotinibが母乳に分泌されるかどうかは良く知られていません。
しかし、多くの薬が母乳に移行することが知られており、乳児に対するタルセバの影響は知られていないため、タルセバを服用中の母親は授乳を控えるようにします。
小児への投与:
小児に対するタルセバの安全性や有効性は検討されていません。
高齢者への投与:
非小細胞性肺がん患者における臨床試験では、その62%は65歳以下で、38%は65歳以上でした。タルセバの延命効果は両方のグループで同様に認められました。
膵臓がんの臨床試験では、53%が65歳以下で、47%が65歳以上でした。65歳以上と以下のグループで、安全性や薬物動態に差は認められませんでした。したがて、高齢者であっても、投与量を調整する必要はありません。
【注意】
以下のような症状が出現してきたら、すみやかに医療機関での検査と治療を受けて下さい。
はげしい、持続する下痢、吐き気、食欲不振、嘔吐
息切れや咳などが急に始まったり、悪化した場合。
目の刺激感
妊娠可能な女性はタルセバを服用中は妊娠しないようなします。
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【副作用】
非小細胞性肺がんや膵臓がんやその他の進行がんに対してタルセバの投与を受けた患者の中には、死亡も含めて重篤な副作用の報告があります。
非小細胞性肺がん:
150mgのタルセバのみで治療を受けた患者の少なくとも10%、偽薬群と比べて少なくとも3%以上高い頻度で発生した副作用として以下のようなものがあります。
発疹、下痢、食欲不振、倦怠感、呼吸困難、咳、吐き気、感染、嘔吐、胃炎、皮膚の掻痒感、乾燥肌、結膜炎、乾燥性角膜結膜炎
150mgのタルセバ単独の投与でもっとも多い副作用は、発疹と下痢です。
Grade 3/4 の発疹と下痢は、それぞれ9%と6%で見られています。タルセバ投与群の1%は発疹や下痢が原因で治療を中断しています。
発疹や下痢で投与量を減らす必要がでてきたのはそれぞれ6%と1%で見られました。
発疹が出現するまでの平均期間は8日間で、下痢が出現するまでの平均投与期間は12日間でした。
トランスアミナーゼ(GOT,GPT)やビリルビンの上昇などの肝機能障害は150mgのタルセバを投与を受けた患者で観察されましたが、このような上昇の多くは一時的なものか、肝臓への転移によるものでした。
Grade2のALT上昇は、タルセバ投与群の4%、偽薬群の1%未満に認められました。しかし、grade3のALT上昇は認められていません。肝機能障害の所見があれば、タルセバの減量か中止を考慮すべきです。
膵臓がん:
100mgのタルセバとgemcitabinで治療を受けた患者の少なくとも10%以上の頻度で発生した副作用として以下のようなものがあります。
倦怠感、発疹、吐き気、食欲不振、下痢、腹痛、嘔吐、体重減少、感染症、浮腫、発熱、便秘、骨痛、呼吸困難、胃腸炎、筋肉痛、抑うつ、消化不良、咳、めまい、頭痛、不眠、脱毛、不安、神経障害、鼓腸、悪寒
100mgのタルセバとgemcitabineの併用療法を受けた膵臓がんの患者でもっとも多い副作用は倦怠感、発疹、吐き気、食欲不振、下痢です。
Grade 3/4 の発疹と下痢は、タルセバ+gemcitabineの併用治療でそれぞれ5%で見られています。
発疹が出現するまでの平均期間は10日間で、下痢が出現するまでの平均投与期間は15日間でした。
タルセバ+gemcitabineの併用治療で、発疹と下痢によって用量の減量が必要だったのは2%で、中止したのは1%でした。
タルセバ150mgの投与は副作用が強く現れ、減量や中止が必要となることが多い結果でした。
深部静脈血栓症の発生頻度は、gemcitabine単独では1.2%でしたが、タルセバとgemcitabineの併用療法の場合は3.9%でした。
深部静脈血栓症を含めたGrade 3/4の血栓症による副作用の発生頻度は、gemcitabine単独が9%で、gemcitabine+タルセバ群が11%で、ほぼ同じような頻度でした。
Grade 3/4の血液学的な毒性の発生頻度は、gemcitabine単独と、gemcitabine+タルセバ群で差は認められていません。
タルセバ+gemcitabine群に見られるGrade 3以上の高度の副作用で、発生頻度が5%以下のものとして、失神、不整脈、腸閉塞、膵臓炎、溶血性貧血、狭心症および心筋梗塞、脳出血、腎不全などがあります。
トランスアミナーゼ(GOT,GPT)やビリルビンの上昇などの肝機能障害は、タルセバ+gemcitabine投与を受けた膵臓がん患者で見られました(表7)。肝機能障害が強い場合は、タルセバの量を減らすか中止を考慮しなければなりません。
非小細胞性肺がんや膵臓がんの臨床試験において、消化管出血が稀に発生しています。ワーファリンやNSAID(非ステロイド性抗炎症剤)を使用している場合もあり、これらの薬が原因となっている場合もあるかもしれません。
消化管出血は、胃炎、胃十二指腸潰瘍、腸炎などによって起こり、吐血や下血などの症状として現れます。
タルセバ治療を受けている非小細胞性肺がんや膵臓がんの患者に、Grade 3の 結膜炎や角膜炎が高頻度で発生します。角膜潰瘍が起こることもあります。
一般的に、タルセバ単独投与や、gemcitabineとタルセバノ併用の場合で、タルセバの安全性に関しては、性別や年令での違いは認められていません。白人(Caucasian)とアジア人との間で、タルセバの安全性の違いは認められません。
【過剰投与】
1回のみの投与の場合、健常人で1000mgまでの投与、およびがん患者で1600mgまでの投与は十分に耐えることができました。
健常人に200mgを1日2回投与を行なうと、投与開始数日で耐えられない副作用が認められました。
推奨量以上を投与すると、下痢、発疹、肝機能障害などの耐えられない副作用が発生します。このような用量過剰な場合には、タルセバを中止し、副作用の症状を目的とした治療を行ないます。
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【投与法】
非小細胞性肺がん:erlotinibの推奨用量は150mg/日で、食事の1時間以上前か2時間以上後に服用します。腫瘍が増殖し出すか、耐えられない副作用が出るまで継続します。腫瘍が増殖するようになってからもerlotinibを服用することが有益かどうかのエビデンスはありません。
膵臓がん:gemcitabineと併用する場合、erlotinibの推奨用量は100mg/日で、食事の1時間以上前か2時間以上後に服用します。
腫瘍が増殖し出すか、耐えられない副作用が出るまで継続します。
投与量の修正:
呼吸困難、咳、発熱などの症状が新たに出現したり、呼吸器症状が進行性に悪化する場合には、タルセバを直ちに中断し、診断のために検査を実施します。もし間質性肺炎の診断であれば、タルセバは中止し、必要な治療を行ないます。
下痢は通常loperamide(ロペミン)の服用によって治療できます。loperamideで症状の改善しないような激しい下痢の場合や、下痢による脱水が問題になるときには、タルセバの量を減らすか、投与の中断を行ないます。皮膚の病変(発疹や乾燥など)が強いときも、減量や中止が必要になります。
量を減らす必要があるときには、50mgづつ減らしていきます。
薬物代謝酵素のCYP3A4を阻害する作用のあるatazanavir, clarithromycin, indinavir, itraconazole, ketoconazole, nefazodone, nelfinavir, ritonavir, saquinavir, telithromycin, troleandomycin (TAO), voriconazoleなどを服用している場合には、タルセバの服用量を減らすことを考慮すべきです。
CYP3A4 の発現を誘導するrifampicinはタルセバの代謝を促進して、血中濃度を2/3に下げます。rifampicinの投与が必要な場合は、CYP3A4に影響しない代替の薬に変更するか、タルセバの量を増やす必要があります。もし、タルセバの量を増やした場合には、rifampicinやその他のCYP3A4 inducerを中止した時には、タルセバの量を減らさなければなりません。
rifampicin以外にCYP3A4の発現を高めるものとして、 rifabutin, rifapentine, phenytoin, carbamazepine, phenobarbital、 St. John's Wortなどがあります。タルセバ服用中はこれらの医薬品やサプリメントは服用しないようにします。
Erlotinib は主に肝臓で代謝され胆汁中に排泄されます。
したがって、肝機能の低下した患者に投与する場合は、投与量の減量などの注意が必要です。
【保存】
室温(15〜30℃)で保存します。
参考:
http://www.gene.com/gene/products/information/oncology/tarceva/insert.jsp
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